よく豊かな老後を過ごす為には1億円必要と聞くかと思います。
実際に僕もそのようにお伝えしています。
その際に本当にそんなにかかるの?と思われる方もいるかと思います。
今回は僕のライフプランニングを元に実証していこうと思います。
案外長い老後の生活
実は思っているよりも長い【老後】と言われる生活
「人生50年下天のうちに比べれば夢幻が如し」
戦国武将である織田信長が詠んだ句として有名ですが、
昔の日本人は50歳でなんなら40歳でもお年寄りでした。
しかし、今の社会に置き換えると40〜50代は会社でも
重要なポストにいたりなどバリバリの世代ですよね。
まぁ、昔は15歳で成人と言われていた時代ですからね。
その分大人としての時間は長かったのだと思います。
今のご時世では、80歳なんてそこまで驚かなくなってきました。
なんなら集落を1件ずつピンポンを押していけば
30分以内には確実に80歳以上の方にお会いできます。
(実は実証済み(笑))
ということは65歳で定年を迎えたとしても少なくとも15年以上はあるのが現実です。
したがって、定年退職後や仕事を辞めた後の
ライフプラン(リタイアメントプラン)を考える必要があります。
「自分はどんな老後を過ごしたいのか」というイメージが大事です。
僕もイメージをしますが夫婦二人での旅行や趣味などの生きがいや社会との繋がりを保っていくことと、さらにそれを維持する為にも病気や介護状態にならない健康作りも必要となってきます。
豊かな老後1億!徹底検証!
まず最初に【自分のお祖父様やお祖母様の生活】をイメージして見て下さい。
いかがですか?
では、次に【自分の理想の老後の生活】をイメージして見て下さい。
なんとなくイメージできましたでしょうか?
まず最初にイメージして頂いた【今における老後の生活】を知りましょう。
まずは老後の生活費にどれくらいかかるのか(支出)と、
老後の収入はどのくらいなのか(収入)に分けて知っておく必要があります。
平均的な老後の生活費は夫婦2人世帯で約22万円/月です。
これは一般世帯の平均的な生活費の7割程度で、
老後は現役時代よりも少ない生活費で暮らしているのが現状です。
一方で、ゆとりある老後生活を送るために必要な額は、
約35万円/月(公益財団法人 生命保険文化センター/2016年 より)必要という調査があります。
理由としては、現役時代よりも時間が増える為に、僕のイメージのように旅行や趣味などをお金を使ったり、お孫さんがいる場合はお小遣いなども必要になります。
あと考えておかなければならないのが、健康を保つこと。
病院にかかったり、服用しなければならない薬が増えたりなど、医療費の自己負担金額は大きくなる可能性があります。これらは+αで準備が必要ですね。
次に収入です。その収入の中心となるのは、いわゆる公的年金です。
現在では高齢者世帯の所得の約7割が公的年金となっています。
もし公的年金をまったく受け取ることができず、
他の収入もないという場合は、老後にいくら必要で準備しなければならないのでしょうか?
65歳〜90歳まで25年間でシュミレーションしてみます。
27万×12ヶ月×25年=8100万円
35万×12ヶ月×25年=1億500万円
もし公的年金などの収入がまったくないとしたら、
夫婦世帯で平均的な生活をする場合で約8,100万円。
ゆとりある生活をしたいなら約1億500万円も自分ですべて準備しなければなりません!
これらをすべて貯蓄などでやりくりしていくのは大変です。
さらにより長生きした場合にはこれ以上にかかるケースも出てきます。
老後資金はいくら確保が必要? 会社員
現在の日本の制度として、原則20歳から60歳の人は
全員国民年金に加入して保険料を納付します(国民皆保険制度)
また、会社員の方の場合は、勤務されてる期間、厚生年金にも加入をします。
したがって、老後になったときは、それまでの保険料納付期間と厚生年金であれば
報酬にも比例した年金を一生涯受け取ることができます。
さきほど計算した老後に必要な額(支出総額)から公的年金の収入を
差し引いた金額が本当に準備しなければならない老後資金の目標額となります。
公的年金の額は働き方などによって一人一人異なりますので把握しておくべきですね。
自分の年金見込額については、50歳以上の人であれば、
毎年誕生月に日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」に将来の見込額が記載されています。
50歳未満の人は将来の見込額は記載されていませんが、
日本年金機構のホームページ上の「ねんきんネット」で年金額を試算することができます。
自分の額について一度確認してみるといいですよ。
まず会社員の方を例にみてみます。
会社員夫婦世帯の公的年金の平均的モデル額は、約22万円/月となっています。
ただし、旦那様が平均的収入で40年間会社員として就業し、奥様がその期間すべて専業主婦であったと仮定した世帯です。
現在の会社員モデル世帯で見てみても、
平均的な生活をする場合25年で約1,500万円。
ゆとりある生活をしたいなら25年で約3,900万円が不足してしまうので、
その分は自分で準備しなければなりません。
より長生きした場合にはこれ以上にかかるケースも出てきます。
自分の理想の生活をイメージしながら計算してみて不足する額が老後資金準備の目標額となります。
老後資金はいくら確保が必要? 自営業
次に自営業の場合をみてみましょう。
自営業夫婦世帯の公的年金の平均的モデル額は、約13万円/月となっています。
これは夫婦ともに国民年金の保険料を20歳から60歳までの40年間すべて納付した場合の金額です。
また、夫婦ともに厚生年金に加入したことがないため、老後の公的年金は国民年金のみとした場合の額になります。
このように、現在の自営業モデル世帯で見てみると、会社員世帯よりもさらに不足額が大きくなってしまいます。
具体的には、平均的な生活をする場合25年で約4,200万円、
ゆとりある生活をしたいなら25年で約6,600万円が不足してしまうので、
その分は自分で準備しなければなりません。
自営業は定年がないのでずっと働き続けることも可能かもしれませんが、
その代わりに病気や怪我などによるリスクもあります。
公的年金からの収入が国民年金だけとなるため、自分の老後の生活を想像しながら、
不足額を把握し目標額を定めて、早めの老後資金準備が必要になります。
そもそも年金が貰えるのか?
先ほどシュミレーションしましたが、あくまで【今の場合】です。
そもそもの大きな問題ですがまず年金がもらえるのか?
そもそもの年金が支給されなければ先ほどお伝えした
約8,000万〜1億ほどのお金はご自身で準備しなければなりません。
どうやって確保しますか?
特に20代の我々が60歳頃まで年金をあてにしていて、急にないよと言われても手遅れですよね。
日本の将来は思ってるより深刻かもしれませんよ。
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)という本がありますが、
是非読まれることをオススメします。
1949年の出生数は約269万人/年でした。
2016年は初めて100万人/年を下回り約98万人/年です。
出生数のピークの約1/3です。
更に晩婚や未婚の方の増加などで、人口が増える余地は少ないと考えられています。
もらう人は増えていきますが、支える人は減っていってるのです。
老後資金の準備法
会社員、自営業者別に、平均的な生活をする場合とゆとりある生活をする場合のおおよその不足額を見てきました。
更に年金が貰えない場合も考え確保しなければならないこともお伝えしました。
じゃあ、年金は払う必要ないじゃん?
実はそれは間違ってます!
年金には老後貰える年金の他に
・遺族年金
・障害年金
という制度があります。
例えば一家の大黒柱である旦那様が不慮の事故に遭われた。
その場合、奥様や子供達の収入が途絶える訳ではなく【遺族年金】が支給されます。
すなわち年金を未納にしておくことは、家族を持たれている方などにはリスクになります。
支出については生活費(食料・住居・光熱・水道・家事用品・雑費など)はもちろん、リタイア後にどんなイベント費がかかるのか(旅行・リフォーム・建替・子どもや孫の結婚・出産)、また、病気・介護などのリスクを含めた予備費としてどのくらいをとっておくと安心なのか、それぞれの老後のイメージを元に試算しておくべきですね。
65歳〜90歳までの25年分を目安に計算してみるといいと思います。
多めに100歳までの35年分としてみるとまた目標額も違ってきます。
老後に貯蓄残高が赤字に陥ってしまうような老後破綻を起こさないためにも長生きリスクに対応して長めの期間で計算しておいてもいいと思います。
働き方や老後のイメージによって、将来の老後資金目標額も異なってきます。
その理由で一番大きいのは、加入する公的年金制度が異なるからです。
厚生年金がある会社員・公務員と厚生年金がない自営業では仕事を完全にリタイアしたあとの公的年金収入が異なります。
自営業の場合は、事業によっても事情は異なりますが、自分で準備しなければならない老後資金準備の目標額が高くなるケースが多くなります。
自分の老後に向けて早めの準備をスタートする為にも、まずは【把握しておくことが大事です】。
それは今の収支状況もそうですが、自分の両親の収支状況も把握して、イメージすることが必要だと思います。
FP空一